ふうふぐも 夫婦蜘

ふうふぐも(夫婦蜘)

羽前の置賜郡などにつたわるもので、古いお寺にすみついてそこに泊まったりしたひとを食べていた夫婦ものの蜘蛛[くも]の化けたもの。

妻はここちのいい三味線をきかせてやって来たひとを眠らせたりする瞽女[ごぜ]さん、夫は一ッ目や触るとぺったり手や足や体などが貼りついてしまうふしぎな袋に化けたりして人間を手の内におさめてましたが、ある旅人に退治されて正体が蜘蛛だったことが知れたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
ぴったりくっついてしまって触れると離れなくなる術は、古寺や古屋などに出る同様な蜘蛛の妖怪(特に夫婦ものではない)だと、「袋」ではなくて「三味線」であることが多いです。

和漢百魅缶││2014.09.07
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