山の中の一軒家にすんでる老婆で、いつもびんこびんこ音をたてて木綿をひいてます。
継母に井戸に落とされて流された女の子が宿を求めて来たとき、途中で石にはさまった魚、とりもちにつかまった鳥を助けてたのに感心して金の釣瓶[つるべ]に乗せてやり、着物を黄金にして家に帰してくれました。
継母はそれを見て実の娘も井戸に流してみますが、実の娘は途中で魚と鳥を見殺しにしてて、婆ちゃんは泥で出来た釣瓶[つるべ]を渡し、着物はどろどろに汚くなり、一生みじめな生活をおくるはめになったトカ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
長州の俵山につたわる昔話に出て来ます。老婆自身は、女の子に「この木綿ひきを手伝ってくれ」と頼みます。
和漢百魅缶│2014.05.01
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