たねのとうすけのかかあ 種の藤助の嬶

たねのとうすけのかかあ(種の藤助の嬶)

因州智頭郡につたわるもの。食べてた肉の骨をのどにつまらせて困ってたところを、種というところに住んでた藤助[とうすけ]という男に助けられたおおかみで、女の姿に化けて藤助のもとにやって来て、女房になって暮らしてました。

旅の人間を追いつめた狼たちが「たねのとうすけのかかあ、手を貸してくれ」と呼びに来たために、やがて正体がおおかみであることが知れて、家から出て行ってしまいます。

しかし藤助の家の田んぼに、穂は実らないけど臼の中でたたくと普通の4倍くらい米が穫れるふしぎな稲を植えていってくれて、その後の暮らしを助けてくれたといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
狼や狐が恩返しにふしぎな稲を田植えしてくれる話と、狼の一団のかしらの狼が人間に化けていた話とがあわさってるような構成になってるのが特徴です。

和漢百魅缶│2014.01.10
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