備後の東城につたわるもの。子供の夜泣きが激しいときなどお参りするとよく効くといわれてました。
むかし、この地にあったお城が攻め落とされたとき、逃げ延びた乳母と若殿さまが追っ手から隠れるために生えていた柚[ゆず]の林に「どうぞ隠してください、若様のいのちをお守りください」と頼んだのですが、この柚の枝がガサゴソ動いて隠れてたのが露顕、追っ手のさむらいたちによってふたりは殺されてしまいます。
その乳母と若様をまつったのがこの産子さんで、ガサゴソ枝が動いたのを恨んで、この地域には柚の木は生えなくなったといいます。
和漢百魅缶│2013.09.21
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