上総市原郡平三村の大通寺というお寺のちかくにある田んぼに生えてたふしぎな赤米。大むかしはひと粒が鶏のたまごぐらいの大きさをしてて、それひと粒を炊けば一膳分になったんだソウナ。
むかし、鶴がくわえて持って来たと言われてて、そこからこの呼び名がついたそうです。いつの間にか粒の寸法はじょじょに小さくなって、たまご大ではなくなったと言われてます。
☆ 莱莉垣桜文 附註
『房総雑記』曰
「大通寺と云ふ寺あり寺領に種うる所の稲米殊に大にして色微く赤く数百年前には此米粒大きさ鶏卵の如くなれば一粒づつ炊き仏に供せしが近年漸く小となる然ども常の米に数倍す 国相伝へて仙鶴の銜み来るものとして鶴おとしと称す」
鶴が稲を持って来たというかたちのはなしは「つるぶ」などにも見えます。
和漢百魅缶│2013.08.23
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