ひこうべつ 被甲鼈

ひこうべつ(被甲鼈)

鼈[すっぽん]の精で、よろいかぶとに身をつつんだ武士のすがたをしてます。

むかし、崑山県にすんでたじいさんが、たくさんのひとびとが罪人のようにしばられて船に押し込められ悲しんでる夢を見ました。つぎの日、船に乗った商人を見かけたので、船の中をチョイと見てみると縄でつながれた鼈[すっぽん]がびっしり。その様子が夢の罪人たちと重なったので、じいさんはこの商人から鼈を全部買い、川へ放してやりました。

すると、その日の夢に数百人のよろいかぶとを着たひとが現われてじいさんに礼をしてゆきました。じいさんはその後、すこやかに長生きしたソウナ。

和漢百魅缶│2013.06.14
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