ちとう 置頭

ちとう(置頭)

姿はふつうの人間とまったく変わりませんが、頭の取り外しが可能で、髪をいじったりくしけずったりするときに頭を外して机の上などに置いたりしちゃう妖怪。

ある男が、たまたま頭を取り外して髪をととのえてる女を見つけびっくり。逃げ出した途中でひとに助けを求めて「ここここ、こんな妖怪をみた」と話したら「なんだ、頭ならおれらも外せるよ」と頭を外して地面に置いたので、さらにびっくりした、などのはなしが残ってます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『老人夢語』や『虫鳴漫録』などいくつもの本に収録されてるはなしに出て来る妖怪で、日本でも「ろくろくび」が知名度をあげる以前は、この方式のびっくりさせかたをとってる妖怪のはなしがいくつかあります。

基本はおなじことの出来るひとが再度出て来るという化かし方でおどろかして来ます。

樺太などには、むかし人間は首の取り外しが自由だったという昔話が残ってます。

和漢百魅缶│2013.06.13
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