伊予の重信の横河原にあった二本松にすんでたたぬき。むかし、病気の母親を看病してた清二郎[せいじろう]という息子がいて、毎日このたぬきにあぶらあげをお供えするのも日課にしてました。
ある日、いきなり母親の病状がかわって死んでしまい、清二郎はたいそう気を落としてしまいますが、たぬきどんにあぶらあげは供えに行かねばと思い、お供えに行ったところ、松の下でたぬきも死んでたので更にびっくり。もっと悲しくなって家に帰ったのですが、帰ってみると母親は元気に生きてたのでさらに増し増してびっくり。たぬきが身がわりになって死んでたんだソウナ。
和漢百魅缶│2013.05.15
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