じんすけのむすめ 甚助の娘

じんすけのむすめ(甚助の娘)

享保のころ、金沢の脇田という武士の屋敷のお長屋に勤めてた女中。夜ねむってると鼠たちがこの娘のもとに集まって胸の上にぴょんぴょん登っていくと、夢うつつのまま娘が起き上がってお長屋中のたんすや長持ちを開けまくり、中身を鼠たちにガリガリかじらせてしまったと言います。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『三州奇談』曰
「娘を呼返し段々尋ねられけるに今は何を隠し申さん私眠ると思へば鼠多く来りて胸へ上ると迄は覚えて夫[それ]より夢中の如し。箱をあけ長持を引出し申せし事も成程私覚えあれども朋輩へ恐ろく隠し申せしなり。」

和漢百魅缶│2012.12.02
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