むかし、かんごの国のかん五郎が柴を刈りに行くと、一匹のかまきりが挟まって動けなくなってたので、これを助けてあげた。すると、そのかまきりがぴゅーんと天下様のところに飛んで行って、その庭で「かんごの国のかん五郎に1000石くれぬと天下の首はちんちぎる」とふしぎな声を響かせたんだトカ。
この不穏な声を聴いた家臣たちが「おそれながら」と奏上すると、天下様は「その者を探し出せ」と御下命。家臣たちによってついに探し出されたかん五郎は、天下様から1000石の領地をもらい、豊かになったんだソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
かまきりが恩返しをしたというもので、種子島などにつたわるおはなしです。
和漢百魅缶│2012.08.09
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