ようしつ 蝿疾

ようしつ(蝿疾)

うらみが蝿[はえ]のかたちになって、ひとに重い病気をもたらし、殺してしまったりしてしまうもの。

唐のころ、文宗[ぶんそう]という悪人が幽州の街道を歩いていたとき、お経の紙を買いに行く僧侶を殺して金を奪った。その後、またそこを通りかかると、その僧侶の死体が腐りもせずそのまま転がってたので、これをベシンと策[むち]で打ったところ、死体の口から蝿[はえ]が飛び出して来て文宗の口へ飛び込んでしまいます。その後、文宗は悪い風疾[ふうしつ]にかかって死んでしまったといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『冥報記輯書』曰
「行還過僧死処 時当暑月疑皆爛壊 試往視之儼如生日 宗因下馬以策築僧之口 口出一蠅飛鳴清徹 直入宗鼻久悶不出 因得大患歳余而死」

和漢百魅缶│2012.07.09
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