ぎょちんき 魚枕器

ぎょちんき(魚枕器)

魚のあたまの中にまれに入ってるという「枕骨」[ちんこつ]という真っ白い石のようなものを砕いてつくったという食器。もし、この上に蠱毒[こどく]をほどこされた毒の食べ物が盛られたときは、おのずと割れたりして、それである事を知らせてくれるといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
張杲『医説』曰
「南海魚有 石首者蓋魚枕也 取其石治以為器 可戴飲食如遇蠱毒 器必曝裂 其効甚」
『聞見後録』曰
「魚枕骨作器皿 人知愛其色瑩徹耳 不知遇蠱毒必爆裂 尤可貴也」

浄瑠璃の『播州皿屋敷』に出てくる家宝のお皿が「その上に毒物がのってもその毒を絶滅させる」といった感じの言い伝えつきなのは、こういったものと関連があるようです。

和漢百魅缶│2012.01.20
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