きつねつきのはれ 狐憑腫

きつねつきのはれ(狐憑腫)

昔あるおさむらいが体の中にプチュッと入って来るかたちの「きつねつき」に取り憑かれたとき、体のなかに入って来ないよう患部をしばっておいたところ、そこが腫れあがってしまったというもの。刀でプチュッとそれを突きつぶしたところ、腫れはキレイに治ったし、庭にきつねが死んでおったトカ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『風聞集』曰
「内藤豊前守様御家来何某と申ものにつめの間より狐つき候付て腕をあとさき強[つよく]ゆい申候へば其侭[そのまま]其間はれ候故[ゆえ]脇指[わきざし]にてはれ候所をつき切[きり]候へばはれも引[ひき]屋敷のうらに狐死[しに]候て居候」

上州で語られてる「きつねつきのはれ」などとも近い。

和漢百魅缶│2012.01.12
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