へびのたまご 蛇の卵

へびのたまご(蛇の卵)

豆州の竹麻村につたわるもの。むかし、おばあさんがやぶの中でたまごを拾って「これを育ててみよう」と丁寧にあっためていたところ、生まれてきたのは鳥ではなくて蛇。仕方ないので山の中に放してやります。

数年後、近くの山に大蛇が出てひとびとを困らせるので村人たち総出動で山狩りをする事に。おばあさんもこれに参加させられて、山道にいたミミズみたいな蛇をやっつけてお茶をにごしたのですが、あとからほかの一団がそこにたどりつくと、ドカーンと大蛇がひっくり返っていたので、「ばぁさまが大蛇を退治した」と大騒ぎ。

丁寧に卵を返してくれたおばあさんへの蛇の恩返しだったわけですが、この婆の大蛇退治のはなしは都の天子様にも届いて、ごほうびをいただいたんだってサ。

和漢百魅缶│2011.12.28
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