えんしょうぐん 猿将軍

えんしょうぐん(猿将軍)

山の中に住んでいる大きな猿の親分。むかし商州のある医者が突然見知らぬひとに連れ去られたかと思うと、そこは山の石室のような場所。そこに臥せっていたのがこのお猿で、まわりにいる婦人たちが「将軍はお腹を痛めて困っております」と頼んで来たので、医者は薬を処方してあげて、猿たちからお礼をもらって帰ったんだソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『夷堅続志』などに載っている話では、医者は治療のあとにお礼をもらうのですが、実はこれ、猿たちが近郷の家から盗んだものだったので、いらぬ疑いを受けた医者はこれをもとの家に返した、という展開になっています。(その後、猿たちは改めて支障のないお礼をあげることに)
日本に伝わっている狐や狸などのもとへ往診にいった医者の話と同じかたちのもの。

和漢百魅缶│2011.10.15
Design. Koorintei Hyousen 2011