豊後の守江浦に出たという武士のぼうれい。船上に乗ってるひとにたびたび取り憑いたりしていましたが、寛永のころ、ある娘に取り憑いた時に泣きながら「わがために法事をいとなみてたべ」と願い込んでおり、ひとびとが新右衛門の法要をしてあげたら、悪さはしなくなったそうな。
☆ 莱莉垣桜文 附註
中村新右衛門尉は関ヶ原のいくさに負けて軍船で逃げてきた西軍方の武士のひとりで、黒田勘解由のひきいる番船にさまたげられた時にこの地で大沈没をしてしまい、海のもくずになってしまったと『狗張子』には書かれています。
和漢百魅缶│2011.10.13
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