むかし、関東のある荒れ寺に出たという俳諧者のゆうれいで、夜な夜な「すみぞめを洗へば波もころも着て」という上の句を詠んではシクシク泣いていたというもの。たまたまこれに出くわした旅のお坊さんが「水はうきよをいとふものかは」という下の句をつけてあげたところ、消え去って、その後は出なくなったんだトカ。
☆ 莱莉垣桜文 附註 「つけくのしゅうねん」のおはなしのひとつ。
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