堺の戎之町にまつられてるお稲荷さまで、むかしこの場所にたびたび現われた、ひとのほっぺたをなでて歯の痛みを消してくれたふしぎな女性をまつったというもの。歯が痛いというひとが来るとどこからともなく現われて、歯を治すとどこかへ消えてしまい、正体は一切わからなかったんだトカ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
ひとの歯痛を治してくれた時に「礼はいりません、ただ茶碗に三杯おはぐろを川に流してください」と言っていたそうで、それが呼び名のモトになりました。多くのひとがこの独特のお礼を献上したので、近くの石垣や橋脚は黒ずんでたそうな。

和漢百魅缶│2011.07.31
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