なすのがはらのくろぼとけ 那須野ヶ原の黒仏

なすのがはらのくろぼとけ(那須野ヶ原の黒仏)

野州の那須野ヶ原で「せっしょうせき」に化した「たまものまえ」が現わしたという真っ黒くて大きな仏像で、大きな眼をみひらいたり、にたにたと笑い出したりして近づくひとを驚かしていました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『絵本玉藻譚』に出て来るもので、ひとびとに害をなす殺生石を法力で封じようとやって来た石屋法師を、まずこの姿でびっくりさせています。
岡田玉山『絵本玉藻譚』曰
「もと来し方へふり帰ればこはいかに其丈[そのたけ]十余丈も有らんとおぼゆる黒仏[くろぼとけ]石屋が後に立て鏡のごとき眼[まなこ]を見はりくれないの口を大きに開きにたりにたりと笑ふほどに石屋心魂ともに散じ叫[さけん]とすれど声出ず走[はしら]んとすれど足さへも立かね」

和漢百魅缶│2011.03.31
Re Design. Koorintei Hyousen 2007