きょかせい 巨蝦精

きょかせい(巨蝦精)

むかし、陳禹[ちんう]というひとが贈答品としてもらった大きな蝦[えび]の精で、陳禹の夢の中に浅碧色の着物をつけた眼のやたら輝くひとの姿になって現われて、「どうぞ我々を殺さないでくだされ」と訴えたというもの。陳禹はもともと殺生をこのまぬ人であったし、蝦の数と夢の中に出て来た人の数が同じ30体だったので、翌朝に蝦たちを海に放してやると、蝦たちが全員振り返っておじぎをしながら水底に消えていったんだトカ。

和漢百魅缶│2011.03.26
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