奥州の沼尻にあった沼の主で、雨が降ったりすると沼の近くの坂道に蓑[みの]と笠[かさ]に化けて枝にぶら下がりこれを見て「おや、これはちょうどイイ」と、ひとが手に取った瞬間、正体を現し、そのひとを巻き締め、食べてしまったと言います。
☆ 莱莉垣桜文 附註 この沼の主は、のちに南部藩の玉山兵庫という侍によって退治され、その亡骸を供養するため鞍沼明神というお堂が建てられたそうです。
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