一夜のうちに、たちまち巨大な桑[くわ]の木が生えて来てしまうというもの。祥桑[しょうそう]とも。よくないことの前兆だと考えられてました。
むかし、殷の太戊[たいぼ]のとき、朝廷に突然2本もこれが生えたことがありましたが、太戊はそれを反省して善政をとることに勤めると、この桑の木もすぐに枯れてなくなり、立派な君主であるとあがめられました。
☆ 莱莉垣桜文 附註
大臣である伊陟[いちょく]から受けた「妖は徳に勝つことは出来ませぬ」という助言にしたがって、太戊が善政をこころがけた結果、わざわいは何も起こらずにすんだ――と語られます。
『十八史略』曰
「伊陟曰 妖不勝徳 君其修徳」
『通俗十二朝軍談』(巻13)曰
「忽ち一日祥桑二木あって交加して朝殿に生じ三日の間大雨してやまず其木の大さ両囲可[ばか]り長さ三丈余なり」
桑[そう]と穀[こく]が生えたとも語られるのですが、その場合は後者を「かじ」の木とみるか「穀物」とみるかで解釈や描写のされかたがまったく変わって来ます。
和漢百魅缶│2026.06.03
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