人間の顔をしてる大きな魚で、前田家の殿様を毒殺した側室が処刑され、その亡魂がこの魚になりました。漁をさまたげて人々を困らせてたので、鉄砲隊によって征伐されたとされます。
金沢城下に運ばれて、解体されるときにおなかから火炎が出て来て、お城も巻き込む大火が起こったなどとされます。
越中の放生津[ほうじょうづ]から四方[よかた]の海域に出たとされ、体の大きさは1丈5尺4寸ほど。
☆ 莱莉垣桜文 附註
宝暦9年(1759)に出た「人魚」の浮説で、宝暦7年(1757)にも「とやまのにんぎょ」のはなしがあることからも、この年に実際にそういうものが越中の海で征伐されたわけではないことがうかがえます。
金沢で火事になったという展開が大きめに組み込まれてる箇所が宝暦9年のはなしの特徴のようで、前後のものにこの部分は出て来ないようです。
宝暦9年4月10日に金沢で大火が起きたこと自体は事実なので、加賀騒動の「お貞の方」(おていのかた)や「浅尾」(あさお)みたいな存在の亡魂がこの魚になったという部分も含め、加賀騒動をからめた「金沢の大火のうわさ」を「人魚」に組み込んだものだと見られます。
和漢百魅缶│2026.03.16
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