いいおとこのへび いい男の蛇

いいおとこのへび(いい男の蛇)

いい男のすがたに化けて、夜ごとに女のもとに通って来てた蛇の化けたもの。

魅了されてる者にそう見せてるダケで、他の者にはそのまま蛇であることが見えてしまうことがあり、「あれは蛇だ!!」と知った婆は、女に「晩のあいだ、納豆にするために豆をたくさん炒っておいてくれ」と言いつけておきました。

夜になってやって来たいい男は、豆がこげないように手伝いをしますが、実際は蛇のすがたで自在鉤に巻きついて一生懸命ぐるぐるしっぽで熱く煮立った鍋の豆をかきまわしつづけないといけないので、夜明け近くには焼け死んでしまったソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
陸奥の木造などで語られてた昔話にみられるもの。他の地域にも豆をぐつぐつ煮るのを見させて退治する系統のものはみられます。

和漢百魅缶│2025.10.27
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