お金のかおりの良いところに、どんどんとっついて来て、袖口から離れようとせず、次々にお金を持って行ってしまうまるっこい虫たち。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「せびり虫」とも。商売や遊里などで、豪勢なお客や金蔓の太いお客にたかる者たちを虫に見立ててることばで、「せんびり虫がとっつく」などと表現されてました。
曲亭馬琴『夢想兵衛胡蝶物語』などをはじめ、戯文やことば遊びなどにも直接に「虫」としてそのまま登場します。
河竹黙阿弥『四千両小判梅葉』3幕目・貸付所座敷の場 曰
「払おうといっても払われねぇせんびり虫のおれだ、その気で生涯[しょうげぇ]貢[みつ]ぎなせぇ」
宮武外骨『売春婦異名集』曰
「「せんびり虫」とは「こがね虫」の類を云ふなるべし」
「安永三年の『里の小手巻評』にも「せんびり」の語出づ、されど今は廃れて唱ふる者稀なりと聞けり」
和漢百魅缶│2025.08.10
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