からの 枯野

からの(枯野)

太古のむかしに使われてた大きな船のひとつ。材料になった木は、兎寸河に生えてたものすごい巨樹のひとつだったといいます。

廃船後に、その材木は塩をつくるための薪に使われましたが、ふしぎなことに火にくべられても燃えることなく残った材木がいくつかありました。その燃えなかった材木で琴をつくったところ、遠くまで響くさやかな音のするふしぎな琴になったと伝えられます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
応神天皇5年10月に豆州で造られて大和朝廷に献上され、その速さが褒められてましたが、応神天皇31年8月に廃船になり、その燃えなかった材木が琴にされたことが『日本書紀』にみられます。

兎寸河に生えてた巨樹から枯野がつくられたことは『古事記』のにみられ、朝に出来る影は淡路島に夕に出来る影は高安山にとどくほどだったとあります。

和漢百魅缶│2025.07.18
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