陸前・羽前や岩州・磐州をはじめ各地に伝わるもので、山のなかで斧をつかう音や小枝を払う音、伐られた木が倒れる音がめりめりめりと響いて来ます。しかし、倒れた木が地面にどしんッとあたる音はせず、音のした方角に行っても何もないんだトカ。
また、目の前で木がばりばりッと伐り倒されたと思ったら、再びもとのように木はちゃんと植わって立ってるという状況を見せて来たりもします。
むじな・たぬき・きつねや、「てんぐ」や「ぐひん」が起こすと言います。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「てんぐのからきがえし」と呼ばれてても、それを起こすのは「むじな」だと語ってる地域がいくつもあるのはおもしろい点です。
「からきだおし」や「からきがえり」なども同類のもの。
「そらきがえし」という名称で、事典や書籍でくくられて紹介される機会が多かったため、1950年代以後はそちらで情報が流通することのほうが多くありました。
和漢百魅缶│2024.12.24
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