きんてき 金狄

きんてき(金狄)

始皇帝の時代、夷狄の服をつけた12体の身の丈が5丈、足の大きさが6尺もある大人(巨大なひと・長狄)が西の地に出現しました。

始皇帝はこれを瑞祥であるとして、天下の兵たちの兵具をあつめて熔かして大人たちをかたどった像を12体つくりましたが、やがて焚書坑儒などの暴挙や、万里の長城を築くなどの事業に走り、ついに短い天下におわってしまったと語られます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
始皇帝のつくった大きな金の像は「金人」と称され、その像は1体およそ1000石の重さがあったといいます。秦の始皇帝の26年に起こったことして書かれ、本来は夷狄のような大それたおこないはせぬように――という天戒だったと解釈されてます。

『漢書』五行志 曰
「史記秦始皇帝二十六年 有大人長五丈 足履六尺 皆夷狄服 凡十二人」
「天戒若曰 勿大為夷狄之行 将受其禍」

和漢百魅缶│2023.10.10
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