ぬりだのえのかま 白膠木の柄の鎌

ぬりだのえのかま(白膠木の柄の鎌)

ぬりだ(ぬるで)の木を用いて、鎌[かま]の柄をつくるのはよくないとされており、わざわいを起こすと考えられてました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
「ぬりだ」は「ぬるで」の方言名の一ッ。播州宍粟郡などでは、こういう鎌を使って蛇を打ち叩くと、叩いた箇所にも口が出来て咬みついて来る――などのことも語られてたようです。

悪い木と考えられてたのかと言うと、そうでもなくてお餅をつくるとき、米を蒸すための薪には「ぬりだ」を用いるもの だとされており、鎌の柄として使われる部分が特殊であって、ふつうは善い木としてあつかわれてます。

和漢百魅缶│2023.09.12
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