たちばなのむし 橘の虫

たちばなのむし(橘の虫)

橘[たちばな]の木の実を喰い荒らしてしまう白くて小さな虫たち。

病気で臥せってた老尼が、となりの僧侶の家にあった大きな橘の木の実を分けて欲しいと願いましたが、ことわられてしまったことから、「橘をはみつくす虫とならん」と怒りのうちに亡くなりました。老尼は死後に虫と変じてその僧侶の家の橘の実に大量に現われたため、ついに僧侶は橘の木を伐り倒してしまったソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『発心集』(巻8)や『三国伝記』(巻3)に記されてるはなしにみられるもの。特に地名は記載されてませんが、『三国伝記』のほうだと播州のことだとされてます。

和漢百魅缶│2023.08.09
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