しゅくじさま 式子様

しゅくじさま(式子様)

むかし、四国に流れ着いた「うつぼぶね」に入ってたというおひめさまで、土州の赤岡浦でひとびとに助けられました。重い病にかかってしまったことから流されたそうで、村人たちに看護されつつ数日後に亡くなったといいます。

この人物は御所にいた美宜子姫[みきこひめ]というおひめさまで、あまりにも美しかったことから嫉妬[ねたみ]の念をほかの者たちから受けて悪疾にされてしまったそうで、美宜子大明神としてまつられ、ひとびとを病からまもってくれたといわれてます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
美宜子神社についてのはなしとして伝えられてるものですが「美宜子」は帝のお后であったとも、帝の皇女であったとも語られてるようで一定ではありません。「うつぼぶね」についても「つづらぶね」「くりぶね」だとも語られてます。

『赤岡村史』では、「式子」という文字をあててる他に、「しゅくじ」は「夙」[しゅく]・「しゅく神」の意味ではないかとの解説をつけてもいます。

和漢百魅缶│2023.02.11
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