あんねんとう 安然塔

あんねんとう(安然塔)

江州の近松寺の山に建てられてる石で出来た塔で、安然[あんねん]を祀ってるもの。

しかし、商人たちからは「商売に出かけるときに安然塔が無意識に目に入ってしまったら、その日はだめ、商売にならん」と、言われて商売にとって不吉なものとされてました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
安然は、天台のおしえの研究に没頭してた僧侶で、『童子教』の作者だと伝えられるひと。

弁財天や毘沙門天から「福分[ふくぶん]のない宿世[すくせ]である」と言われたほどに貧乏だった――という言い伝えに由来した商人たちのあいだでの俗信だといいます。

和漢百魅缶│2022.12.28
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