にへいざかのおに 二平坂の鬼

にへいざかのおに(二平坂の鬼)

武州足立郡の赤井に伝わるもの。むかし、二平坂という山に悪い鬼がいて、ひとびとに悪さをしてましたが、すさのおのみことによって退治されたといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
赤井では、3月8日に「一升めし」という行事が行われてて、そのはじまりの由来のうちのひとつとして「鬼」を退治したあとに、お腹を空かせた勇者がごはんをいっぱい食べた(それが3月8日の朝)ことに由来するというはなしが語られてます。

鬼を退治したということが語られてる点から、鬼を描いた絵に向かって弓を射るという儀式も行われてました。

すさのおのみことの他にも、具体的には名前の語られない若者であったり、相手は「悪い山賊」だったり、疫病が流行ったときにみんなでたくさんのごはんを食べたのがはじまり、などとも語られてます。

和漢百魅缶│2022.11.27
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