やまびここぞう 山彦小僧

やまびここぞう(山彦小僧)

山の中にいる妖怪で、やまびこ(こだま)を起こすといいます。

笠をかぶり、一本足の子供のすがたをしており、ひとが「おーい」などと山や谷に向かって声をかけると、急いでやってきておなじことばを返して発します。

☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『おばけ文庫 ぬらり ひょん』などで書かれてる妖怪。会津の山の中で義治郎[よしじろう]という猟師が出遭ったはなしが書かれてます。

野理夫は『おばけ文庫 ぬらり ひょん』のあとがきに、会津で実際にこのはなしを取材して「そのゆたかな空想力におどろきました」と強調して記載してます。しかし、『東北怪談の旅』の「やまびこ」のはなしも舞台が会津であるいっぽう、人名設定や内容が異なるはなしが展開されてるため、実際に会津で「やまびここぞう」「やまびこ」の伝承情報を採録してたとしても、作品として書かれたもののどこまでがそれであるかはハッキリしません。

和漢百魅缶│2022.07.30
Re Design. Koorintei Hyousen 2012