てんじょうなめ 天井嘗

てんじょうなめ(天井嘗)

天井板についた「あか」をなめて食べてしまう妖怪で、 からだは青くて、金色の髪の毛が生えてるといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『おばけ文庫 下がったり なめたり』の「天井なめ」のはなしに登場する妖怪。鳥山石燕の画像妖怪である「てんじょうなめ」を素材にしたもの。

紀州の土左衛門という、家からまったく出て来ず、ねっころがって暮らしてたぶしょう者の家に現われ、これになめられた天井がやがて腐って無くなってしまっても、土左衛門はそのまま暮らしてた、というはなしが書かれてます。

石燕の画像要素を踏襲してるようで、そこから完全に分離されても(石燕に一切結びつけなくても)成立可能な要素を持ってるところが、野理夫による画像妖怪を素材とした作品の特徴でもあります。天井嘗を用いたはなしは、このものぐさな男のはなしとは全く別の「てんじょうなめ」も野理夫は書いてます。

和漢百魅缶│2022.07.20
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