ねこまた 猫又

ねこまた(猫又)

むかし、富士山の女神「このはなさくやひめ」に仕えてたという猫[ねこ]。あるとき女神様に対して不調法な振る舞いがあった廉[かど]で富士山を追い出されて、黒部の山々に落ち延びて、山に棲みついたといいます。

富士山から追い出されて以後、悪さをするようになったそうで、山からおりて来てはたびたび里を荒らしたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『アルプスの民話』などで書かれてる「猫又の話」に登場する猫で、猫又山の名前の由来として描かれてます。

青木純二『山の伝説 日本アルプス篇』で展開された「猫又山」の伝説をモトとしたはなしを典拠にしたものとみられますが、古い老猫である点や大きさ・富士の巻狩で乱暴を働いたことが失態となったはなし・その後の退治のはなしの部分が省かれてるなど、伝承に由来したはなしを下敷きにしてるものの、いくぶん基本差異がみられます。

和漢百魅缶│2022.07.06
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