おつかいのてんぐ お使いの天狗

おつかいのてんぐ(お使いの天狗)

山のかみさまに仕えておつかいなどをうけたまわってる「てんぐ」たちのこと。人間のことをときどき助けてくれたりもするようです。

むかし新庄の法印さんが三山参りの講中を連れて旅に出たとき、だいぶ進んでから道中手形を家に忘れてしまったことに気付いたので、戻ろうと考えてると、道で出くわしたふしぎにおとなびた声の子供が「困ってるだろうから、おれが取って来てやろう」と言って、法印の家から道中手形を持って来てくれたりしたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
羽前最上郡に伝わるはなしに出て来るもの。天狗がまたたくうちに遠隔地から所望の物品を持って来てくれるはなしは各地にあって、これもそのうちの例の一ッ。

和漢百魅缶│2021.12.28
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