ごはんくわないおかあさん ご飯食わない内儀さん

ごはんくわないおかあさん
(ご飯食わない内儀さん)

ごはんを一切たべないと語って、けちな男のもとへお嫁に来ますが、正体は人間ではなく、留守中にはごはんをいっぱい炊いて、あたまのふたをあけてそこからぱくぱくと食べてました。

その様子をみた男が、別れることを告げると、風呂にはいってる男をそのままかついで山へ行き、「生ざかな」として山に住む家族たちと食べてしまおうとしましたが、男は柊[ひいらぎ]の木に助けられてナントカ逃走。

蜘蛛[くも]のすがたに化けて再度、男を襲いに来ましたが、叩きつぶされて退治されました。

☆ 莱莉垣桜文 附註
豆州の大沢里などで語られる昔話にみられるもの。山に住む家族として太郎・次郎と称する子供たちはハッキリと登場します。「めひとつのひと」も登場しますが、この妖怪の夫なのか、けちな男なのかはハッキリしなかったりします。

蜘蛛に化けて復讐に来る部分は、各地にみられる「夜の蜘蛛はころせ」ということの由来として結びつけられて語られるもの。

あたまがふたになっていて、それをあけてごはんを詰め込むかたちのはなしは豆州には他にもあり、細部が異なるようです。

和漢百魅缶│2021.03.25
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