べんてんさまのぬし 弁天様の主

べんてんさまのぬし(弁天様の主)

弁天様に「かつお舟の頭[せし]になれますように」と願掛けをしたところ、弁天様の聴き間違えから「ぬし」になってしまい大蛇のすがたになって、沼に入ってしまった青年。

沼の主になってしまったまま、何年も家に帰らなかった青年でしたが、あるとき人間のすがたで家に戻って来ました。「眠っているときに決して部屋を見てはいけない」と告げて眠りについたのですが、家の者は約束をやぶって部屋を見てしまいます。大蛇のすがたをみられた青年は、以後は二度と家には帰って来なかったといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
常州の大貫村のはなしだとつたわるもので、弁天様が聴き間違えをしてしまった結果という展開は、やや特殊な展開。一緒にお参りをして「笛の名人になれますように」と願掛けした青年のほうはキチンと笛の名人になってます。

和漢百魅缶│2020.11.22
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