カムイモシリセタ

カムイモシリセタ

アイヌの昔話に出て来るもので、カムイモシリで番人をしてたいぬ。人間のことばをふつうにしゃべることが出来ます。

オキクルミが人間の世界に穀物が存在してないことをかわいそうに思い、稗[ひえ]を足の肉の中に隠して持ち出そうとしたのを察知して「こら、稗の種を盗み出そうとしてるな、待て!」と大声で騒いだ結果、オキクルミによって口に灰を押し込められて、しゃべることが出来なくなってしまったソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
「セタ」が「犬」という意味。穀物を地上を持ちだす際に犬が番太郎として邪魔をしてくるはなしは、アジア各地にもひろくあるもの。

このとき以来、セタたちは地上に落ちてただ吠えることしか出来なくなり、アイヌたちの狩りの補助役をする存在になったとされます。

犬が人語でしゃべってたという点では「パコルセタ」などと近いもの。

和漢百魅缶│2020.07.22
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