たまのはたおり 玉機織

たまのはたおり(玉機織)

むかし、三蔵法師がお経を求めて旅をしてる途中、「玉の中のごちゃごちゃまがりくねった穴に糸をとおしてみよ、出来たら天竺までたちどころに送ってやろう」と難題を出されたとき、近くの枝の上から解決策を教えてくれたはたおり虫。

「ぎようちゃくしこうぎょくこう」と鳴いており、三蔵は「ぎ(蟻)よう(腰)ちゃく(着)し(糸)こう(向)ぎょく(玉)こう(孔)」と意味をよみとって、蟻[あり]に糸をつけて玉をとおらせて糸をとおしたソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『神道集』蟻通明神事 曰
「折節道ノ傍ニ木ノ枝ニ機織ト云虫居 蟻腰着糸向玉孔 囀ル 三蔵ハ悉曇ノ達人ニテ聞知給ヘリ」

『神道集』の蟻通明神のはなしに出て来るもので、三蔵にこの問題を出した美女の正体は秦奢大将(深沙大将)で、このあと三蔵を天竺へつれていってくれます。

和漢百魅缶│2017.06.30
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