ポーランドなどにつたわる昔話に出て来るもので、雁[がん]にすがたがかわってしまった乙女。羽衣をぬぐと、もとの乙女のすがたになります。
むかし、好きあってる若者と乙女がいたのですが、富豪である乙女の家の母親が「若者の家とはふつりあい、ふたりがいっしょになるなら雁(ジキゲシー)にでもなったほうがマシです」としゃべったところ、乙女とその家族全員と若者すべてが雁になってしまいました。
記憶も失ってただ雁となってた乙女ですが、猟師にとらえられ、たまたま羽衣をぬいで猟師の家をそうじしたところを目撃されて猟師と結婚。何年もたったころ、たまたま南へわたる雁のなかにいた若者の雁が乙女と出会い、記憶をとりもどした乙女は納戸にしまいこまれてた羽衣をを再び着て雁になり、若者といっしょに南の地へ去って行ったのだトサ。
和漢百魅缶│2016.10.31
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