ちょうずばちのたましい 手水鉢の魂

ちょうずばちのたましい(手水鉢の魂)

むかし、江戸に住んでた人見友元という医者が番町のあるひとの屋敷で目にした石で出来た手水鉢[ちょうずばち]のかたちの良いのにほれこんで、それをもらって自分の庭に置いたところ、夜になると手水鉢が「帰りたい、帰りたい」としきりにしゃべり出したので、けっきょくもとの持ち主に返却することになった、というもの。

☆ 莱莉垣桜文 附註
根岸鎮衛『耳袋』曰
「夜に入れば物いふ事やまず恐れて元に返しけるとや 訳ありて事を怪に託しけるか石魂ありてかくありや知らず」

和漢百魅缶│2016.04.24
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