備後御調郡の野谷につたわるもので、とても大きなへび。
むかし山にすんでいた大きな「いわばみ」が「ながねん山にすむ修業がすんでこんど海へでることになった、ついてはそのときに村のものたちはみんなどこかへたちのいていて欲しい、そうしてくれればわしが海に出たあと村のものたちが帰って来たとき、この土地を都のように家の並ぶにぎやかな土地にしよう」とたのんできたのですが、村人たちがこれを拒否。僧侶にお経をとなえてもらい、いわばみの棲み穴に1000本もの杭を打ち込んでこれを殺してしまいました。するとその後は野谷はさびれつづけてゆき、誰も住まないような場所になってしまったんだトカ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
「うわばみ」の転訛した呼び方・表記だと考えられます。
和漢百魅缶│2016.02.28
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