ムーンマン Moon man

ムーンマン(Moon man)

月の中にいるという永遠に薪をひろって背負って歩いてるという男。

むかし、おかみさんから薪をひろってこいと頼まれた夫が森の中に行くのですが、薪をひろうことなんかそっちのけで魚捕りに大はしゃぎ、日暮れがすぎて薪を一本もひろってないことで我に帰り、手ぶらでも帰れないからとそのまま夜明けまで家に帰らず、夜が明けてから薪をひろいあつめはじめます。

しかし、森から出ようとすると「きさまを帰すわけにはいかぬ」と、どこからともなくの声。「きさまは今日が安息日であることをわかっておらぬな、森へ薪を置いて帰れ」と声に命じられますが薪を持って帰らないわけにもいかないので男は拒否。「薪を下ろすか、死ぬまで運ぶかどっちかひとつだ」「下ろしません」――すると男の体はふわふわふわふわんと宙にあがり、月に到達、それ以来ずっと月で薪を背負って歩いてるんだソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
アメリカ合衆国につたわるもの。日曜日(安息日)にかかわる展開になっており、ピューリタンの間で語られてたものだそうです。

和漢百魅缶│2015.10.31
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