とうふやおきちのちょう 豆腐屋お吉の蝶

とうふやおきちのちょう(豆腐屋お吉の蝶)

お寺の門前にあった豆腐屋のむすめで、恋仲になった灯明寺の僧・空月[くうげつ]と心中をすることになったのですが、家からもってきたのが宝剣「六字の短刀」であったことから、これを使えば立身出世がかなう! とこころの動いた空月によってバッサリ。首をうたれてしまいますが、その首から真っ白い蝶がたくさん出現、これが空月についてまわるようになり、その後いろいろな悪事をかさねた空月はついには捕縛されてしまいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
文化9年(1812)4世鶴屋南北、松井幸三、福森久助らによって執筆されたものの市村座の資金ぐりがつかず上演されずじまいになった夏狂言『解脱衣楓累』という歌舞伎の登場人物。空月とお吉は大坂桜町で打ち首になった不義の二人に題材をとってます。

(お吉と顔がそっくりな美くしい妹という役で累(かさね)が登場して、外題にかさなっていきます)

和漢百魅缶│2015.07.05
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