くだん

くだん

上州山田郡などにつたわるもの。むかし、日本に麦が存在しなかったとき、足に麦を隠して唐土から持ち帰ろうとしたひとがあったのですが、「こいつは麦どろぼうだ」と吠えかかったのが「くだん」という名のこの犬。

この「くだん」は斬り殺されて(あるいは撲り殺されて)しまうのですが、あとで麦を隠し取られたことが知れ「くだんは本当のことを言ってたのだ」ということになり、そのことから書類に本当のことであるというしるしとして「よってくだんのごとし」という言葉がつけられるようになったのだソウナ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
牛のかたちの「くだん」と同様な「仍て件の如し」の語源になったというおはなしですが、前半は弘法大師などが穀物を日本へ伝えるおはなしにつながっています。

和漢百魅缶││2015.01.21
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