こだま 谺

こだま(谺)

山の中でひとの発した声に反応して呼び返してくるもの。

むかし、旅の僧侶が山道で追いはぎに襲われたので何とか抵抗して崖に叩き込みます。その後、逃げ込んで泊めてもらったのは何とその追いはぎの家。崖の下から戻って来た追いはぎが自分の妻から事情を聴いてるのを耳にした僧侶は脱走。後から追いはぎが追跡して来ますが熊に食べられて死亡。それに安心した僧侶が追いはぎの家に戻ると、追いはぎの妻が僧侶に言い寄って旅に付いて来てしまいます。

ついて来られるのが厄介になってしまった僧侶は途中の山道でこれを殺害。しかし、殺したその追いはぎの妻の首が僧侶のあとを「おぉぉぉぉ」と叫びながら延々と追尾。あちこち途中の家で箱に詰めて逃げたり桶に伏せて逃げたりしますが、延々と追尾されて困惑。あるとき山の中で鹿[しか]の群れがいたのでポイとその中に首を投げ飛ばしたところ、鹿たちは首をぽんつくぽんつく突き飛ばし廻して遊びまくり、遂に追いはぎの妻の首は粉々になってしまい、ついて来ることはなくなりました。

粉々になった首が山の中に散らばり、ひとの声に反応するようになったのが、こだまのはじまりなんだトカ。

陸中江刺郡などにつたわる昔話にあるもの。

☆ 莱莉垣桜文 附註
追いかけて来る首のむかしばなしには「ばきいのくび」などもあります。

和漢百魅缶││2014.09.21
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