きじふくろう 雉子梟

きじふくろう(雉子梟)

工藤祐経[くどうすけつね]のもとに出現したという化鳥で、ぎゃーぎゃーと鳴き騒いだといいます。家臣たちが撃ち落したところ、あたまはふくろうのようで、体はきじ、尾は五色に光ってたといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
『隠顕曽我物語』曰
「何やらん怪き物庇[ひさし]の方より飜入[とびいっ]て祐経が居間を飛廻る羽音の凄然[すさまじ]きこと言語に絶たり家来の者共手々に棒杜研木[ぼうちぎりぎ]を以て追廻すは中々手に及ばず然に一人の者半弓を以て射けるに手応[てごたえ]して大地に落けるを有合[ありあふ]者共駈寄て漸々に打殺し形を見るに全体は雉子の雄[おんどり]に似て首は梟[ふくろう]に異ならず羽色は黒くして尾に五色の光あり何就[いかなる]鳥やらん其名を曽て知者なし是なん昔より云所の怪鳥[けてう]就んと」

『曽我物語』に出て来るもので、本文にあるように特に名前は出て来ません。

和漢百魅缶││2014.08.17
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