ぎいぎい

ぎいぎい

むかし、京の愛宕山に出るとうわさがたったことのあるもの。夜になると「ぎいぎい」と鳴き声のようなあやしい声が響いてくるので、みんな怖がってたといいます。

あるとき、星野勘左衛門という武士が愛宕山の怪異めと山にわけいり、音のするところへ弓を射込んだところ、声が止んだのですが、翌朝になってみんなで検分に来ると枝が矢で刺し留められてて、今までの「ぎいぎい」という音は風で枝が木にぶち当たってる音だったと知れたんだトサ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
妖怪だと思われてましたが実際のところは正体は…と、いうところまでわかってるはなしのひとつ。
渋川時英『薫風雑話』曰
「愛宕山に何やら怪異の物出て 夜々ぎいぎいと鳴と云沙汰あり」

和漢百魅缶│2014.01.04
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